音で世界を感じる旅 LISTEN. 千年後に伝えたい音を求めて / 山口智子

地の果てのように感じられる遠い地に響く音が、なぜかとても懐かしく感じられることがある。世界の民族音楽を伝える映像ライブラリー「LISTEN.」を自らディレクションする俳優の山口智子。大地に根づいた音楽から感じる「生」のエネルギー、心に残った人々との出会い……。旅によって生まれた音と魂との共鳴を綴る、音の千夜一夜。

流浪の民が伝えた音(後編)

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© Twin Planet

LISTEN.

聴いて 感じて 浸る
未来へ紡ぐ「音」のタイムカプセル

美しい音にいざなわれ、2010年から10年をかけて26カ国を巡り、250曲を収録。
50時間を超す音源と20,000枚の写真を記録し、31の映像物語が生まれた。
最初の5年間のエピソードをまとめた、
映画版「THE LISTEN PROJECT ~THE FIRST FIVE YEARS~」は、
世界の映画祭で上映され、日本公開企画中。
https://the-listen-project.com/jp/

LISTEN.初のアルバム”IN A QUIET PLACE”
(iTune Store、Spotify、amazon music、bandcamp アイコンをクリックしてください)
https://the-listen-project.com/jp/music/item/520-in-a-quiet-place-music-from-the-listen-project-vol-1-j

撮影隊は最小限の人数で

―LISTEN.は10年間で31のエピソードを作ってきましたね。LISTEN.の撮影の話を伺えますか? 撮影隊はどんな編成なのでしょう?

 LISTEN.の始まりの地であるハンガリーのスタッフと、10年ずっとチームを組んできました。日本人は私だけで、一緒に企画を立ち上げた監督はアメリカ人、ムービーカメラとスチールカメラマンはブダペストに住んでいるマジャル(ハンガリー人)、録音はベルリンから。日本人の感覚だけではない、世界のいろいろな視点を撮影に取り入れたかったし、私のこだわりでもある “陰影の美しさ”へのセンスが、マジャルは抜群。西洋と東洋両者の感覚を合わせ持っている。予算を有効に活かすため少人数制で、3〜5人でフットワーク軽く旅をして、あとは撮影地でスタッフを募ることもあります。一人で何役も務める必要があるので、私もスタッフみんなのお弁当の手配や、寒い時は演奏者に携帯カイロを配ったり(笑)。ロケハン、撮影、編集、字幕作り、いろいろやらせていただいています。

―テーマとなる音楽や出演者はどうやって決めているのですか?

 音楽に関して究極の素人である私の強みといえば、猛烈に「知りたい!」という熱烈な好奇心。10年前はまだYouTubeでいろいろと映像を探せる時代ではなかったので、まずは、「知りたい!」と心踊る場所に飛び込んで、現地でCDを買いまくって聞きまくり、コンサートや祭りに出かけ、「大好き!」と思える音楽に出会えたら、体当たりで出演交渉に出かけます。予算も限られた撮影ですから、「きっと無理だろうな」と思う国宝的大御所であっても、未来に伝えたいタイムカプセルとしてのLISTEN.の趣旨を伝え、彼らが興味を持ってくれる撮影シチュエーションを話し合ううちに、いつもみなさんから惜しみないご協力をいただいてきました。
 例えば、前回のパルノ・グラストの時は、彼らの村の子供たちが洗礼式を迎えるという話題から、「じゃあ子供たちを祝う宴の開催を、LISTEN.でお手伝いさせていただけないか?」ということになりました。ラカトシュ・ファミリーの時は、普段は来客に向けて演奏している彼らに、「自分たちのために演奏を楽しむ宴を実現させませんか?」と持ちかけました。LISTEN.で会場を用意し、ささやかながらお酒やおつまみを提供させていただき、一晩、心ゆくまで楽しんでくださいと。普段なかなか実現できない、彼らの「やってみたいこと」を形にして、たっぷり時間をかけて心からリラックスして楽しんでいただく。そんな状況の中で、私たちはお邪魔にならないよう、そっと静かに撮影をさせていただきます。
 いつものような自然な雰囲気って、現実に撮影するとなるとなかなか難しい。被写体がカメラを気にしないで済むように、マイクも映像に写り込まないように、いろいろ隠れ技が必要だという現実を知りました(笑)。私も俳優の立場として被写体となる時は、セッティングに要する待ち時間って、精神力を保つのにかなり厳しい。だから、できるだけ迅速にナチュラルに、皆がハッピーになれる状況作りが、いまだに最大の課題です。毎回試行錯誤の連続。

―なるほど。これまでずっと被写体だった経験が生きているんですね。それにしても10年とは、山口さんの好奇心は息が長い。それだけ密度の濃いドキュメンタリーになっていると思います。

 よく誤解を招く点なのですが、LISTEN.は、一般的なテレビ番組ではありません。定期的に新作エピソ―ドをBSテレビでオンエアしてきましたが、実はテレビ局が企画や制作費の主体ではありません。私と監督が立ち上げた企画に、直接スポンサー企業が協力をしてくださっているという形。つまり、映像の権利は私と監督にあるので、貴重な映像素材を長期的な計画で、私たちの判断で生かしていくことができます。私はこれまで、テレビのドキュメンタリーの仕事で、一期一会の貴重な取材に立ち会わせていただきましたが、その映像や未使用の膨大な撮影素材は、後々にまた生かしたいと思い立っても、テレビ局という大組織の宿命で、担当者もコロコロ変わり(笑)、貴重な映像は行方不明という事態に多々直面しました。そのもどかしさと大反省から、これからは自分で動こうと心に決めました。今を未来へ伝えるタイムカプセルとして、LISTEN.ライブラリーを有効活用する責任を、しっかり担っていけるよう頑張りたいと思っています。
 監督はアメリカ人なので、権利契約にはかなりシビアです(笑)。LISTEN.に参加してくださったみなさんには、契約書に一筆いただいていて、もし今後LISTEN.の映像展開で収益が発生する場合は、皆さんに分配できる仕組みになっています。素晴らしい地球の宝が、経済の波に呑まれて消滅する危機に陥らないよう、ささやかながらちゃんとお返ししていければと思っています。
 おっと、そろそろ今日の本題に戻りましょう。今回はハンガリーから南下し、バルカン半島へ。


人を根こそぎハッピーにする「音」

前回はロマの音楽が生まれた背景と、そこから派生したヴァリエーション豊かな音楽についてでしたが、今回はその後編ですね。

 セルビアのジプシー・ブラスバンドについて話しましょう。“バルカン・ブラス”とも呼ばれていますね。
 私にとってベスト映画の一つである、エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』の中で、体にも心にもズシリと響くパンチのあるジプシー音楽を繰り広げてくれたのが、セルビアのブラスバンド、「ボバン・マルコビッチ・オーケスター(Boban & Marko Marković orchestra)」です。今はボバンの息子のマルコも加わり、親子でブラスバンドを率いて大活躍しています(南バルカンでは、ブラスバンドを“オーケスター”と呼びます)。
 トランペットは、セルビアでは「トゥルーバ」(ピストン式トランペットより滑らかな音程変化が特徴)。チューバなども加わるブラスバンド・スタイルは、かつてバルカン半島を支配したオスマン帝国の置き土産と言われています。トルコの軍楽「メフテリ」の影響を大きく受け、聴いているだけで活力が倍増するような、体中の細胞が目覚めるようなエネルギッシュなリズムです。



© Twin Planet



―なんとも野性的な音楽! でもどこかオリエンタルな響きもありますね。

 映画『アンダーグラウンド』では、人々が集う宴で楽団は大活躍でしたが、面白かったのは、車を走らせる時まで楽団を率いていたこと。雇い主の車を追いかけながら演奏していましたね(笑)。今は、ドライブにCDやBluetoothの音楽は欠かせないけれど。かつては様々なシチュエーションで、雇われた楽団は力の限り演奏し続けたのだなと思いました。
 16世紀頃から、ロマ(ジプシー)のオーケスターは、冠婚葬祭など人々が集まる宴には欠かせないものになりました。セルビアには、地域に密着したオーケスターが、約8000もあるといいます。毎年、南部のグチャという町で、長い歴史を誇る盛大なコンテストが催され、500ものバンドが各地で予選を勝ち抜きながら、グチャでのトップを目指すのです。このバルカン・ブラスの祭典で、何度も栄冠を勝ち取ってきたのがボバン・マルコビッチです。

―ボバンの故郷セルビアってどういうところなのでしょう?

 私たちLISTEN.撮影隊は、グチャからも近い、ボバン&マルコ・マルコヴィッチが住む南部の町を目指して、ハンガリーから車でクロアチアを経てセルビアに入りました。果樹園や豊かな畑も広がり、紛争がまだ近年まで続いていたことが嘘のような平和で美しい景色。でも、撮影を手伝ってくれた、今はブダペスト在住のセルビア人女性は、国道沿いのモーテルを見ながら、「ここは、私が13歳の時に逃げてきた難民キャンプだ!」と言っていました。彼女は当時クロアチアに住んでいて、セルビアとの紛争時にこの難民キャンプに逃げてきたのだそうです。
紛争の記憶は、決して遠い過去の歴史ではないのです。戦いの不条理を描いた『アンダーグラウンド』でしたが、逆境の中で凄まじい生命力を生む源となったものこそ、このバルカン・ブラスです。
 セルビア南部に滞在しながら、忘れられない思い出があります。ボバンたちを撮影する前に、ロケハンも兼ねて撮影隊みんなで電車に乗りました。のどかな田園風景の中、無人駅を延々と巡るローカルな電車です。車窓を眺めている時に、線路ぎわの民家で歌い踊る宴を発見しました。とっさに私たちは次の駅で電車を降り、その祝宴を見学できないものかとチャレンジしたのです。宴の会場を探して道を進んでいくと、小学生くらいの少年たちが10人近く、珍客めがけて集まってきました。皆、手にはトランペットやトロンボーンやチューバの楽器を持っています。それぞれ自慢の自分の楽器を奏でながら、私たちを取り囲みました。言葉は通じずとも、彼らのウェルカムがグングンと伝わってきて、ウキウキと嬉しくなりました。
 そこへ例の歌い踊っていた大人たちも続々と集まってきて、私たち撮影隊をぐいぐいと自分たちの村へと招き入れながら、「さあ、一緒に踊ろう。お腹は空いてない? 夕ご飯食べてったら?」と、大歓待を受けたのです。歌と踊りに惹かれてやって来た、こんな見ず知らずの旅人を、村じゅうで受け入れてくれました。結局彼らの宴は、特別の日であったわけではなく、1日の終わりの楽しみとして、彼ら自身のために歌い踊っていただけだったのですが。日が暮れゆく中、ほとんど電気も通っていないそのジプシーの村は真っ暗になっていきましたが、わずかな明かりの中で、音楽とともに笑いながら仲間と1日を終える彼らは、なんと豊かなのだろうと思いました。お金や物からは得られない、真の心の豊かさです。

―すごいエピソードですね。セルビアは紛争をくぐり抜けてなお、音楽を愛する民族性を変わらず持っているんですね。

© Peter Rakossy/Twin Planet



 バルカン・ブラスは、人を根こそぎハッピーにするパワーに満ちています。ボバンたちのオーケスターは一見、格闘技やフットボール選手団みたいに厳ついメンバー。彼らの演奏は、ただじっと黙って聴いてはいられないほど血湧き肉踊る、最強の栄養ドリンクみたいな音楽です。メンバーは皆、父や兄、家族から楽器を受け継ぎ、言葉を覚えるように学んだといいます。ブラスの音で育てられ、大人になっていくのです。マルコも父を目指して、毎日猛練習したそうです。「父と一緒に演奏することが子供の頃からの夢だった」と。マルコにオーケスターの一致団結の秘訣を尋ねると、「ここはブラス・バンドの地だよ。ここに生まれた仲間同士、互いに電話をかけ合って集まるだけさ」
 彼らの町に滞在してわかった面白い発見があります。いつも滞在地で大量のCDを買い集める癖の私は、「CDを売っているところはない?」と町の人に尋ねました。すると、「CD? 買う? なぜ?」と逆に聞き返されましいた。彼らによると、「音楽を欲するなら、楽団を呼ぶ」というのです。まさに音楽が、フレッシュな生ものとして生きている地ならではの言葉ですよね。地元の美味しい採れたての食材と同じように、容器に閉じ込められた保存食ではない、滋養強壮に溢れた生音こそ、彼らを大きく豊かに育むのだと思いました。音楽は部屋に籠って孤独に聴くものではなく、人と人が対面し合って互いのエネルギーを交錯させるもの。毎日生きるために必要な食事や水と同じ動力源であり、命の炎を燃え立たせるガソリンみたいなものなのです。
 町民の祝日で賑わう移動遊園地に行ってみましたが、集まった子供たちは、バルカン・ブラスがガンガンと大音量で流れる中、超ハイスピードでぐるぐる回る観覧車に乗り、ゴーカートをぶつけ合いながら、火花が散るほどのエネルギーを炸裂させていました。子供時代から大人と同じ音楽を、単に耳で聴くというより体じゅうで受け止め、山盛りのご飯をほおばるように、美味しさと栄養を取り込んで育つのです。ハンガリーのジプシー村の祝宴もそうでしたが、小さな子供が大人と同じ曲で、いっちょまえにかっこいいステップを踏んでいました。自分たちの故郷の音楽が、大人を早く目指したいと思える“憧れ”として在ることが、本当に素敵だと思います。日本ではなぜか、子供用の音楽を大人があてがうことが多い気がします。幾世代も受け継がれてきたその地ならではの音楽を、大人も子供も一緒に共有できたら、親子断絶なんてなくなるかもしれませんね。

© Peter Rakossy



命を燃やし、熱く濃く「今」を生きる

 生きる力と直結する芸能といえば、スペインのフラメンコもそうですね。インドを旅立ち西へと進んだロマが、アンダルシア地方の民衆文化と融合し育まれたものです。
 私は今どっぷりとフラメンコにハマっていて、尊敬する踊り手の教えを請うために、時折スペイン南部のアンダルシア地方を訪れます。今はコロナ禍で、思い立ったらすぐに飛行機に乗って向かうことはできませんが、代わりに今はオンラインで、毎日スペインと繋がることができます。偉大な師の貴重な教えを、家にいながら学ぶことができるなんて! 技術の進歩には大感謝(笑)。
 フラメンコという名は、ヒターノ(ロマ/ジプシー)の激しい気質を表す「炎(flama)」から発祥したとも言われ、社会の枠にはまらず自由を愛するヒターノ魂は、大らかなアンダルシアの人々に共感を持って受け入れられました。
 フラメンコの魅力は何と言っても、肩書きも身分も纏わない真の人間力が試されること。身ひとつでいかに誇り高く美しくそこに存在するか。悲しみも喜びも、人生全てを歌やギターや踊りに凝縮させて、その瞬間に命の炎を濃く熱く燃え立たせる。強烈に「今を生きる」ことで、明日という未来を、自分たちの力で手繰り寄せる逞しさ!
 私はフラメンコを学びながら、よく頭をよぎるのは日本神話。天照大神の岩隠れの時、全身全霊をかけた踊りで八百万の神々を笑わせて、天照大神に岩戸を開かせたアメノウズメ。芸能の女神とされていますね。LISTEN.でのフラメンコは、そのアメノウズメのイメージも重なるグラナダの11歳の少女、クラウディア・ラ・デブラ(Claudia La Debla)の踊りです。アンダルシアのセビージャを代表する踊り手一家の長ホセ・ガルバン(José Galván)と、彼の娘で、今のフラメンコ界を牽引する踊り手パストーラ・ガルバン(Pastora Galván)にも参加していただきました。



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© Peter Rakossy



音楽は人類唯一の共通語

 バルカン・ブラスの発祥に深く関わった、トルコについても話しましょう。トルコ音楽の源流は、中央アジアからヨーロッパの果てまで大きな影響を与えたオスマン帝国時代の宮廷音楽にあると言われています。1920年代にオスマンが終焉を迎えると、アナトリア、トルコの大衆音楽は、メイハネと呼ばれる庶民の酒場が舞台となります。ここで活躍したのが、やはりジプシー。オスマン時代の宮廷ダンスに由来するベリーダンスを継承し、ジプシーがダンス音楽を盛り上げます。
 イスタンブールは“美しい陰影仄めく”都のひとつです。トルコに魅せられたきっかけは、初めて訪れた時に手に入れた、白黒のレトロな写真集でした。アジアとヨーロッパをつなぐボスポラス海峡を臨む港、渡し船を漕ぐ船頭の顔に刻まれた深い皺、夜の帳に肩を寄せ合う恋人たち、大衆酒場の華やかな楽団…、様々な庶民の姿を捉えた数々の写真を撮影したのは、アラ・ギュレル(Ara Guler)。彼の写真に、音や匂い、時間の積層、人間の深い物語を感じました。アラ・ギュレルは1928年イスタンブールに生まれ、米国タイムライフ誌のトルコ特派員となって以来、ジャーナリストとして愛する故郷を撮り続けました。
「自分は写真家ではなく、写真記者です。写真で時代を記録する“歴史家”です。未来に伝えたい瞬間に、私はシャッターを押すのです」と、アラ・ギュレルは語っています。

 音楽を追うLISTEN.ですが、トルコ編ではアラ・ギュレルの写真とともに、彼のインタビューを撮影しました。残念ながら彼はその後、2018年に90歳で亡くなりました。
「千年後の未来へ託したいものは?」という問いの彼の答えは……。

「美しい花を入れたい。自然の強さを、知ることができるように。でも千年後に、人間はタイムカプセルを開けることができるだろうか? 世界がまだ沈んでいないことを祈る」

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―コロナ禍の今、彼の言葉は切実に心に迫ります。人の心を繋ぎ理解を深めるための芸能や芸術の力は、これからもっと重要になるはず。東洋と西洋を繋ぐ架け橋でもある、トルコからの発信は意味が深いと思います。

 LISTEN.では、アラ・ギュレルの写真を映像で流しながら、トルコのピアニスト、ファジル・サイ(Fazil Say)に、彼が作曲した「ブラック・アース(黒い大地)」を演奏していただきました。トルコの伝説的な吟遊詩人の歌から着想を得て、この曲を作曲したそうです。その昔、アナトリアの大地を村から村へと旅をして、物語や人々の想いを伝えた吟遊詩人は歌いました。「孤独の中で唯一の友は、この黒い大地だ」と。ファジルは、ピアノの内部の弦に直接指で触れて爪引き、吟遊詩人が奏でたサズという楽器の音色を醸し出します。ピアノって弦楽器だったんだ! という新鮮な驚きです。
 ファジルは語ってくれました。
「この宇宙で、人類の唯一の共通語は音楽です。たとえ人間が互いの異なる文化を理解できなくても、音楽が、東と西を繋ぐ橋となります。僕も東西を結ぶ者の一人でありたい。きっと数百年のうちに、その架け橋も必要としない未来が来ることを信じています」



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―山口さんの「知りたい」というエネルギーが、ハンガリーからバルカン半島を縦断し、海も超えてトルコまで運んだわけですね。音を通して、遥かな地の風をダイレクトに感じられるのは、今この時代とてもうれしいことです。東洋と西洋という壁を越えて、音楽で地球は一つになれると思えますね。

 壁を越えてゆく「音」の果敢なパワーに、私たちも学んで進みたいですね。
次回のテーマは、人生の逆境をとことん悲しみ尽くし、希望への力と転換させてきた庶民の歌。ギリシャ、ポルトガルを旅しましょう。



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https://the-listen-project.com/jp/

LISTEN.初のアルバム”IN A QUIET PLACE”
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